人の性格をシステマティックに学ぼう

昔から「人は一人ひとり違う」と言うことがあった。しかし、数年前までそれはお題目でしかなく、どういった点がどれほど違うかについて知識も経験も持ち合わせていなかった。世の中的にそう言われているから自分もそう言っていただけだ。

感受性の強い人なら「人は一人ひとり違う」ということを経験から学べるのかもしれない。人の言動や行動から心の中を自然に推測でき、「ものの見方は人によって全然違うのだなあ」ということを実感をもって学べるのかもしれない。しかし、残念ながら私はそのセンサが弱い。むしろ「人と話すときは感情に着目せねばならない」ということが最近まで分からなかったので、それ以前の問題かもしれない。それでも以前よりは人の個別性について理解できた自信がある。それは性格診断ツール(と言って良いか分からないけれど)を学んだからだ。

世の中には人の性格をシステマティックに整理したツールがある。これにより、自分の性格が唯一絶対のものでないことを学べる。そんなの当たり前じゃないか、と思うかもしれない。しかし、私はそれが分からなかった。(世の中の人はみな身の回りの物事を分析している)と思っていたし、(抽象的な物事についての知識を集めようとしている)と思っていた。そうでないことを知ったのは性格診断ツールについて学んだからだ。「あなたはざっくり言ってこういう性格だと思われます」と出してくれるので、(これは俺の特徴なんだな、世の中の人がみんなそうではないんだな)と知ることができる。

性格診断ツール(と言って良いか分からないけれど)には多くの種類がある。学術的には5因子モデルがよく使われるらしい。似たような因子が出てこないよう因子数を必要最低限に絞ったらしい。他にも、MBTI、エニアグラム、ストレングスファインダー(クリフトンストレングス)など、多種多様なツールが存在する。MBTIでは人の性格モデルを16種類提示しているし、エニアグラムでは9種類提示している。ストレングスファインダーでは、人の資質を34種類にまとめ、これらを1位から34位まで順位づけしてくれる。これらのうち自分にとってしっくりくるものを学んでみると人間理解が深まるかもしれない。そうすることで、ありのままの自分を受け入れやすくなったり、人との関係が上手くいきやすくなったりするかもしれない。そしてひいては人生が上手くいきやすくなる可能性がある。人は生きている限り人間関係から逃れられないのだから、人間の性格について体系的に学んでみるのはおすすめだ。