対人関係の基本中の基本

対人関係においては下記の2段階を踏み続けることが求められる。常に、イチニ、イチニ、とやらなければならない。

 

1. 他者の内面のモデル化

人間は内部状態をもつ関数である。環境や周囲の人からの入力に応じて内部状態(感情や思考)を変化させ、それに応じて出力(言動や行動、特に感情表出)を提示している。出力は言動の内容だけでなく、声のトーンや目の動き、体の動きなど全身で発するものである。

問題は、この関数形が人によって違うことである。なので、「自分はこんな入力が与えられると内部状態がこうなって出力がこうなる。だから相手もそうだろう」と安易に決めつけてはならない。代わりに、会う人一人ひとりに対して、「この人はこんな入力が与えられると内部状態がこうなって出力はこうなるかな?」とモデル化を行う必要がある。ただしモデルは完璧ではないので、その人との関わりを通じて関数形をアップデートし続けることが求められる。

モデル化の精度を上げる訓練として、経験を積む以外に

  • 人の性格をシステマティックに学ぶ
  • 人が書いた文章を音読する(前提: 出力から内面を推定する回路が発達していること)

が例えばあるだろうか。

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2. 己の行動の最適化

他者の内面のモデルが己の中にあれば、「この人はどういう入力を与えられたときに内部状態がどう変化し、どのような出力を出すのか?」ということが推測できるようになる。そのモデルを使い、「この人の内面を最適な状態にするにはどのような入力を印加すれば良いだろうか?」という逆問題(最適化問題)を解くのである。そして、自分なりに出した解を実際に行動に移し(これが相手にとっての入力となる)、相手の出力を観察する。相手の出力が想定通りであれば良いし、想定外なら他者内面モデルをブラッシュアップする機会である。こうして段階1にフィードバックされる。

 

 

最後に、大事なことだが、こういった発言は人によっては嫌悪感を催す可能性がある。私は対人関係の構造を明確にするためにこの記事を書いているが、人によっては「人の心をモノ扱いしている」と捉えられかねない。その意味で、発言する際はTPOを弁えた方が良い。リアルはインターネットと比べて「嫌なら見るな」が通用しづらいからだ。

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