最適レベルと機能レベル 〜『成人発達理論による能力の成長ーダイナミックスキル理論の実践的活用法ー』の第1章を読んで〜

私は理論が好きだ。理論に基づいて成長を考えよう、と言われるとつい手が伸びてしまう。何となく感じていることを明確に言語化されるのは気持ちが良い。

まだ第1章しか読めていないが、特に印象に残った概念は「最適レベルと機能レベル」だ。最適レベルは他者からの支援がある状態で発揮できる能力レベルで、機能レベルは支援がない状態での能力レベルだ。本書は、最適レベルと機能レベルの間にはギャップがあり、しかもそれは年長者ほど大きいという。そこから「支援の重要性は大人ほど高まる」という主張が導かれている。

自他をこのような角度で考えたことがなかったので、深く印象に残った。確かに、他の方にガイドしていただいたとき、思いもよらぬほど考えが深まったり新たな考えが出てきたりしたことがある。また、「話しやすい人」はいる。ここから、「自らの状況を最適レベルと機能レベルの枠組みで認識し、どのような環境が自分にとって最適かを考えよう」という発想が生まれた。また、「他の方にも最適レベルと機能レベルがあるから、いかに最適レベルを発揮しやすい環境に自分がなるか」という方向性で物事を考えよう、というモチベーションも生まれた。後者は今すぐには(少なくとも機能レベル的には)難しそうだが、このような方向性が得られたことは進歩である。

しかし、繰り返すが、いかに実行していくかは難しい。これまで鍛えてきたスキルは主にインプットで、アウトプットはいまいちだ。これらの能力は掛け算で効くであろうから、自分なりのアウトプットの方法論を構築した方が良いのだろうな、と思っている。勉強と試行錯誤と体系化のループを回すべし、だ。

 

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