全能感を取り戻しました

幼い子供は全能感を抱きがちだが、いずれ自分の適性が見えてきて全能感を失うという。確かに俺もこのパターンだったかもしれない。最近までは全能感を持っていなかった。

全能感を取り戻したのは新たな道具を獲得したからだ。それは「原理原則から目の前の現実までを一気通貫で捉える力」だ。目の前の現実を要素に分解し、本質を見極めた上で本質世界で方針を定め、それを現実の行動に落とし込むスキルだ。数学の勉強で論理展開を追う際は公理から演繹的に考えていく。工学は現実の物事を対象とするが、工学の研究でも類似の思考法が用いられていることを知った。しかもそれはかなり有効であるらしい。

最近はこの新たな道具を人生分野に水平展開しようとしている。これまで俺は人生を経験に基づいて遂行してきた。ここに理論という新たなアプローチを加えようと思っている。例えて言うなら、これまでハサミしか知らなかった人がカッターナイフを知ったようなものだろう。ハサミで切れるものもあるが、切りにくいもの、切れないものもある。ハサミでは切れなかったものも、カッターナイフという新たな道具を使えばうまく切れるかもしれない。大事なのは「選択肢が増えた」ということだ。これまでは一択だったのが、複数の選択肢を比較検討できるようになったということだ。もちろん、ハサミでもカッターナイフでもうまく切れないものはあるだろう。それは致し方ない。ただ、カッターナイフという新しい道具はいつどのように使うものなのか、そしてそれは自分の人生をどう変えてくれるのか、しばらくは探索してみたい。